中東での紛争はこのまま拡大してしまうのだろうか。

バイデン米政権は2日、イラクとシリアにあるイラン革命防衛隊や親イラン民兵組織の7施設を攻撃した。ヨルダンで米兵3人が死亡した無人機攻撃への報復という。司令拠点や無人機保管庫などを空爆しており、民間人を含む40人以上の死亡が伝えられる。

3日には、米英軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の支配地域を新たに攻撃した。紅海でイスラエル関連の商船を狙うフーシ派の攻撃能力をそぐのが目的で、先月に続き3度目。13拠点の武器貯蔵施設やミサイル発射装置などを標的とした。

米側はさらなる攻撃を示唆し、緊張は高まるばかりだ。フーシ派への攻撃は、オーストラリア、バーレーン、カナダ、デンマーク、オランダ、ニュージーランドも支援したという。攻撃を受けた組織を支えるイランなどはどう出るか―が焦点となる。武力による応酬がエスカレートし、世界を巻き込んだ全面戦争につながらないか、危惧する。

スエズ運河を通じて欧州とアジアを結ぶ紅海でのフーシ派の蛮行は目に余る。昨年11月に日本郵船の貨物船が拿捕(だほ)されたほか、米英などの商船も標的となってきた。安全のため、各国の商船はアフリカ南端の喜望峰への迂回(うかい)を強いられ、物流コストの上昇など世界経済にも影響が出ている。だからといって武力で抑え付ければ反発は強まるばかりだ。

米国による報復攻撃は、先月28日のヨルダンの米軍施設への無人機攻撃が発端だ。パレスチナ自治区のガザで、イスラエルとイスラム組織ハマスが戦闘を始めた昨年10月以降、米兵が命を落としたのは初めてだ。

バイデン大統領は11月に、大統領選を控える。自国では中東危機に対して「弱腰」との批判もあり、強い姿勢を示したかったのだろう。しかし報復攻撃は火に油を注ぐ行為だったと言わざるを得ない。日本政府も同盟国として、米国に冷静フレーム アームズ ガール スロット慎重な対応を求める必要がある。

そもそも、中東の混乱の元凶は、ガザで長引く戦闘にある。米国が支えるイスラエルと、イランが支持するハマスの衝突に刺激され、親イラン勢力の米軍攻撃が活発化した面もあろう。レバノンを拠点とする親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエル軍の戦闘も激化する一方だ。

バイデン大統領も、イランのライシ大統領も直接の交戦を望んではいないはずだ。半面、自国の兵士や領土への攻撃には報復を辞さない構えを示さねばならないのだろう。

だが親イラン武装勢力の中にはイランの影響力が薄い組織もある。突発的な衝突で戦火が燃え広がる恐れがある。

中東での紛争を沈静化し、全面戦争に拡大するのを食い止める必要がある。そのためには根本的な火種を消すことだ。ガザで戦闘が始まり間もなく4カ月。死者は27千人を超えている。米国などは攻撃を自制し、イスラエルとハマスの停戦の実現にこそ、手を尽くすべきだ。